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「わたしたちの物語」としての映画

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映画公開に合わせて出版された、宝島社のムック本だった。そこで『千と千尋の神隠し』公開時、宮崎駿はちょうど自分の娘の世代にあたる、少女のための映画を作っていなかったことに気がついた、という旨を述べていた。自分の娘、その友人の少女たちが観るための物語を制作していなかった。それが、小学4年生の千尋を主役に据えた、「少女が主役の成長物語」映画を作ろうとした発端として語っていたと記憶している。

映画のなかで少女がメインキャラクターに据えられていることは、もちろん数多くある。ウォルト・ディズニー・カンパニーが少女、あるいは女性を主人公とした映画を制作している意図はよくわかる。ディズニー・プリンセスたちは、かの会社にとっての稼ぎ頭だからだ。「夢の国」を愛し続けている女性は、わたしの周囲にも多い。同じ世界観であるはずなのに、世界中の「夢の国」を訪れている様子が、毎月のようにFacebookのタイムラインで確認できるほどだ。それほどの経済力を持ったお客さまに向けて、映画やグッズを作ることは極めて合理的だ。

けれど、わたしが観たい「少女が主役の物語」は、ディズニー・プリンセスの物語ではなかった。もちろん、ディズニー映画は好きだ。幼少のみぎり、繰り返し『風車小屋のシンフォニー』を観て育ったということもある。同作は、アニメーションの可能性と素晴らしさがぎゅっと濃縮されており、公開当時もこれからも、「映画とはなにか」という問いを考える上で、重要な作品だと思っている。この件については、いつか別に語りたい。

話を戻すと、こどもの頃に観た『ET』も『ホーム・アローン』も、主人公が男の子である必然性はなかった。しかし、単純に必然性がないからと、主役を女の子にすげ替えればいいのだろうか? わたしは、単に主役が少女の映画が観たいだけなのだろうか?

ずっと考えていた答えが、最近やっと見えてきた。

近年、次々と公開されている映画の主人公が少女・女性であることで、それだけで「わたしたちの物語」であると感じ、より一層感情移入している自分に気がついた。2019年に観た映画では、『シュガー・ラッシュ・オンライン』『アリータ』『バンブルビー』『キャプテン・マーベル』で、少女や女性が主人公・ヒーローになっていた。

なかでも『バンブルビー』は、主人公が少女である必然性はまったくない。これまでであれば、それは少年の役割だったはずだ。少年の代わりのような少女が主人公の『バンブルビー』を観て、わたしは何度も泣いた。すっかり物語の中に入り込んでいた。

少し前に、lifehack.jpの堀さん(@mehori)が、以下のツイートをしていた。

4歳の女の子が「私も消防士になりたいのに、学校の本だと男しか描かれていない。私も男の子ならよかった」と気落ちしているので参考になる本や映画はないかと母親がツイート → 世界中の女性消防士から激励のメッセージがという流れ。最高じゃないか。You go girl! https://t.co/Ou4DAisXM3— 堀 正岳 ////「知的生活の設計」 (@mehori) 2019年1月22日

ジェンダーを主眼に据えるなら、男/女という二項対立だけで考えるのではなく、「多様な性」の中の選択肢、あるいは自分らしいあり方を議論すべきだというのが、わたしの立場だ。そのため、普段からなるべく「性別」という、男性と女性の2種類しか性がないような言葉を使わず、多様性を持った「性」という言葉を選ぶようにしている。

なので、様々な主人公のあり方が合っていいと思っているし、何でもかんでも「女を主役にしろ」と言いたいわけではない。

それでも。

それでも、学校の本に消防士の女性が描かれているだけで「男の子に生まれてくればよかった」と気落ちしなくていい。同じように、映画の中の主人公・ヒーローとして、少女が描かれているだけで感情移入することができる。それくらい、「わたし(たち)の物語」に飢えていたことを実感した。

データベースをうっかり削除してしまい、4月2日現在、復旧できていないが、わたしは「MOTOR GIRL」というブログを書いている(た)。バイクに乗る女性は、男性に比べれば少ない。そのため、メーカーが製造する車体は、女性の平均身長のわたしがまたがっても、足がつかないものばかりだ。

加えて、バイクに乗る女性の多くが、いわゆるヤンキーや、レースに出るような女性が多いと考えられているせいか、女性用のライディングウェアは、ドクロや天使の羽が描かれていたり、レーサー風のデザインのものばかりで、自分らしいファッションでバイクに乗ることができない。自分が着たいと思えるライディングウェアがまったくなかった。

せめて男性であれば、バイクの足つきを気にせずにバイクを選ぶ選択肢が多かったかもしれない。そして、ライディングウェアもシンプルなデザインのものを選べたかもしれない。残念ながら、今のところ、バイク業界は「わたしの物語」にはなっていないのだ。

そこで、「バイクのわたしが一番かわいい」と思えるような……バイクに乗っている姿を、好きな男の子に見せたいと思うようなファッションを、市販の洋服とプロテクターを組み合わせて、提案したいと考えていた。もしそれが、バイクに興味があるけれど、ファッション的な意味で敷居が高いと思っているひとに届けば嬉しいと思っている。

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