QT/mode

NovelJam 2021 Online 参戦記1

約6分

NovelJam 2021 Online に参加したので、参戦記を残します。

3日間、著者2名、編集者1名、デザイナー1名の4名チームで2作の小説を作り、電子書籍として販売するNovelJam。

これまでは、合宿形式であったり、会場での開催。みんなでひとところに集まって、電子書籍を制作するイベントでした。コロナ禍ということもあり、今年はDiscordという、文字チャットや音声チャット機能のあるコミュニケーション・サービスを用い、オンラインでやりとりしながら小説を制作販売することになりました。

13:00 開会式 チームビルディング

2019年は、編集者と執筆者がそれぞれを選び、著者と編集者がデザイナーを選ぶドラフトが行われ、チームを組みました。が、今回は運営によってチームが予め決められていました。

参加確定後の登録フォームに、血液型や星座を書く欄があったのですが、その情報が使われた様子はないような。

わたしのチームは、著者3名、デザイナー1名……まさかの編集者不在のチーム。ええええええ。

しかも、進捗がよくわかるがゆえに、もっとも身近なライバルとなるチーム内の著者が、かたやラノベのプロ作家・坂東太郎先生、かたやこれまでのNovelJamに毎年参加・受賞している澤俊之さん。このふたりに編集はいらない。それはわかる。

しかしですよ。わたし、申込みフォームに「今回が人生2作目のオリジナル小説の執筆」(二次創作経験はあるけど、数に入れるものではない)って書いたんですけど。小説初心者なんですけど! 編集者によるサポートをものすごく必要としているんですけども!

そして、発表されたお題が「縁」。書き忘れていましたが、NovelJamはお題に沿ったテーマで作品を書くのです。

縁か……うちは編集者に縁がないな……ということで、チーム名は「編集無縁」(哀愁)となりました。

Online開催は、作業状況をビデオ会議システムで常時監視するというわけではなく、参加者の状況を把握するために、点呼をするという通達がありました。

進捗進んでいなかったり、応答がないと、無言リタイアなのか、のっぴきならない事情があるのか。判断ができないと困るため、15時、18時、21時に点呼の時間が設けられていました。

チーム編集無縁では、点呼のある「15時までネタ出しやプロットの制作をそれぞれ行おう」ということで、各自作業に入ったのでした。と思ったら、澤さんは寝るという。

さて、ここからがはじまりです。まずは、手元の紙に走り書きをして『ラプンツェルは自分の髪をつたって塔から降りることにした』という、待つお姫様ラプンツェルを戦うプリンセスとして捉え直す案をだしました。

長い髪をロープや鞭、弓の弦にして、サバイバルをさせようと思ったのです。歌うと動物が都合よく現れるネズミー設定を利用して、チートで鹿肉や鶏肉をゲットできれば、ひとりで生きられるではないか、と。ラノベにありそう!

いやしかし、わがチーム編集無縁にはラノベのプロがいるではないか。大怪我をして、二度と小説が書けない身体になってしまったら大変なので、この路線は諦めました。

というのは冗談で、せっかくのリベンジ参加なので、好きを詰め込んだネタを選ぶことにしました。

15:00 点呼

具体的になんらかの形で名前を呼ばれるような点呼があったわけでなく、運営スタッフがチームごとのDiscordのやりとりや、Googleドライブでの進捗を確認することで、点呼の代わりとしていました。

この点呼時間がくるたびに、念のためと毎回手を止め、運営によるYouTube配信の進捗チェックを見ていました。合計すると、かなりの時間をロスした気がします。わたし、配信を見ながら考えたり書いたりすることができないタイプです。そして、当チームのチェックが終わるのがほとんど毎回、最後でした。

次回オンライン開催があるのであれば、Discordで個別にメッセージをもらって返事をする方が、著者の負担が少ないと思います。

さて。好きなものを詰め込んネタを『シャッターズ』と題して、どんな世界にするか、メモや落書きをしていきます。今回の課題のひとつ、「世界観の詰めの甘さを克服する」ために、さらに設定を詰めていきました。

わたしの地元には大きな研究施設があるのですが、この施設群が建つ前、かなり深くまで「大きな穴」が掘られていたということを、祖父から聞いたことがありました。実験用の地下施設なのか、後に各国から研究者を招聘することになるので、シェルターなのか……。われわれは、研究所の目と鼻の先に住んでいたのに、その地下のことを何も知らされていません。もしシェルターであったなら、すでに現実世界において、予め命の選別が行われているのではないか。それが本当なら、人間の命の価値は平等ではないということです。

そんな考えを盛り込みつつ、SF刑事モノとして、ストーリーを組み上げることにしました。

18:00 点呼

17時くらいにさっさとお風呂を沸かして一番風呂を決め、実用可能性のあるデバイスや、政治体制について検索しまくり、英文を飛ばし読みしつつ乗り物の記事をあさり……。ネタの走り書きは、さらに3枚増えました。ここまでで、かなり疲れてしまい、へろへろに。

相変わらず、名前が呼ばれるような点呼があるわけではなく、運営のみなさんが配信しているYouTubeで進捗を見ているようだったので、自分たちのチームの確認が終わったところで、とりあえず夕食に。

肉を焼いて食べた結果、お風呂に入ったのに、肉の匂いを全身にまとって、作業に戻りました。

世界観、社会状況、農場や牧場の様子などを考え、やっとプロット作成へ。初心者だし、短編で凝ったことはしないほうがいい。簡単な4章構造でプロットを起こすことにしました。

21:00 点呼

YouTubeで各チームの状況が確認されるのを見終わり、プロットの抜けを埋めていきます。

短編SFなので、世界観の設定は、早めしたほうがいい。けれど、いきなり説明文が並ぶのはよろしくない。登場人物を最小限に抑えるため、「この世界について知識のない来訪者が現れ、客人に教える形で世界観設定を読者に読ませる方法」も避けたい。

ということで、書き出しはキャッチーな戦闘シーン。その後、読者の関心が移らないうちに世界観の説明をしてしまう。続いて、冒頭の戦闘シーンに至った経緯やその後の出来事を書くことに決め、早めに布団に入りました。

前回は2日開催だったけれど、今回は3日開催の上に、オンライン開催で移動時間がない。編集者や代理店のチェックも入らないので、原稿を差し戻されることもない。書く時間はたっぷりある。初日は余裕の構えでした。

〈つづく〉

About The Author

おおくままなみ
かわいいひと、かわいいものが好きです。持ち物はやインテリアはシンプルがいい。肉食、チョコ食。コーヒーが飲めないコドモ舌の持ち主。
Share / Subscribe
Facebook Likes
Tweets
Hatena Bookmarks
Pinterest
Pocket
Evernote
Feedly
Send to LINE