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『私立探偵ストライク』地味で堅実、しかし満足感のあるドラマ

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身辺調査や浮気調査ならともかく、殺人事件を捜査する探偵に、リアリティはない。少なくとも、日本では「探偵です。ちょっと事件について伺いたいことが……」と言われたところで、応じるひとがどれほどいるだろう?

とはいえ、数々の推理小説が生まれたイギリスであれば話は別なのかもしれない。だから、探偵モノは、ちょっとファンタジーなくらいが、ちょうどいいと思っていた。ガイ・リッチー『シャーロック・ホームズ』もカンバーバッチ主演のBBCドラマ「SHERLOCK」シリーズみたいに。

「ハリー・ポッター」のJ.K.ローリングが新人作家として偽名で出版し、話題となった小説が原作のBBC製作ドラマ、『私立探偵ストライク』はその名の通り探偵モノ。しかし、ハリポタのロンドンとは異なる、今のロンドンが描かれている。

Amazon Prime Videoで現在公開されているのは3章全7話、すでに続編の製作が決まっているという。退役軍人で義足の探偵コーモラン・ストライクが秘書ロビン・エラコットとともに、事件の謎に迫る。

参照URL:Amazon.co.jp: 私立探偵ストライク シーズン1 (字幕版)を観る | Prime Video

物語は、結婚間近のロビンが、コーモランの事務所へ派遣秘書として訪ねてくるところからはじまる。現代のロンドンを舞台にした、比較的地味なドラマだ。コーモランは、殿堂入りするようなロックスターの父と、有名モデルを母に持つ稀有な存在ではある。しかし、銃撃戦もなければ、カーチェイスもクルーザーでの逃走劇もない、大規模な麻薬組織も出てこなければ、政府の中枢にいるような悪役も出てこない。

留守中に調べ物を頼まれたロビンが、さっそくパソコンで「コーモラン・ストライク」を検索するところから、今っぽい。

そしてそのふたりが、今のロンドンの街並みにしっくりと馴染んでいながら、視聴者を強く惹き付ける。

ロビンは、華のある美人だが、何よりも魅力的なのが、とっさの機転の利かせ方であったり、ひとと話をするときの配慮の仕方。ロビン役はホリデイ・グレインジャー。ロビンが「心理学を学んでいた」だけある、と感じさせるようなやりとりの機微を、嫌味なく、わかりやすく演じてのける。

感情を表現するというより、顔に出さないことで表現することがうまい役者だと感じた。Prime videoで視聴可能な一話完結SFドラマ『フィリップ.K.ディックのエレクトリック・ドリーム』の「フード・メーカー」でも、まばたきや話す前の間など、言外で魅せる演技が抜群によいので、ホリデイ・グレインジャーに心惹かれた向きは、そちらもどうぞ! 映画1本分の満足感。

参考URL:Amazon.co.jp: フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ シーズン 1 (字幕版)を観る | Prime Video

さて、主役のコーモラン役、トム・バークの一見もっさりとした雰囲気に、ぐんと奥行きを与えているのが弱さであったり、怒りであったり、諦めであったり、正義感であったり、という人間らしさ。

彼が、パブに入りエールを飲んでいるのを観るにつけ、イギリスっぽいなあと、小並感満載な感慨を抱く。

地道に調査を重ね、真相に近づいていく様子は決してテンポがいいとは言えないし、手に汗握るというわけではありません。しかし、引き込まれて、いつの間にか1話が終わっているという感じ。

凝ったトリックを求める方には少々物足りないかもしれないが、剣も魔法も出てこない、今のロンドンに浸りたい向きには全力でオススメする。

ちなみに、二枚目ではなく、弱いところや情けないところもあって、決して天才ではない男が主役の本格派ミステリーとしては、『刑事ヴァランダー』シリーズも大変オススメ。こちらは現在Huluで視聴可能です。

参考URL:刑事ヴァランダー が見放題! | Hulu(フールー) 【お試し無料】

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